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医療のパートナーとしての義務と責任

患者の自己決定権を尊重するということは、いうまでもなく患者の病気の受容責任を重くすることであり、その意味では慢性病患者は社会的義務を解除されないばかりでなく、医療のパートナーとしての義務と責任をも強く求められていることを忘れてはならないのです。とくに障害者の場合、障害をもちながら社会復帰を望むことは多かれ少なかれ危険を覚悟することであって、「リスクを冒す人間としての尊厳」を求めることであるといわれますが、慢性病一般についても自己決定権は「リスクを冒す人間としての尊厳」の考え方を含むものであることを承認しなくてはならないと考えるのです。ここに至って初めて、患者や障害者が社会的差別を乗りこえたということになるでしょう。また慢性病の場合は、患者は医者とともにいわば治療共同体を形成するわけですから、患者としての主体性を確立するための一定の努力が要求されます。昔から積極的に病気に立ち向かう精神闘病心ということが強調されてきましたけれども、慢性病患者(及び障害者)にまず必要なのは、病気とそれによる社会的役割の変化を正しく受容することでなくてはなりません。これはしばしばきわめて困難な心理過程ですが、病気についての情報を率直に受け入れ、また同時に治療の場における自らの立場をも受け入れなくてはなりません。医者に対して「知らされた上の同意」を与えるだけではなく、いわば病気そのものに対しても「知らされた上の同意」を与えなくてはならないのです。