S子さんの経験を元に、出品から落札までのドキュメントを追いながら、売れるためのノウハウをまとめてみたい。彼女の経験を紹介しながら、個々のポイントを整理して記しておいた。ポイントはこれまでに紹介してきた、少しでも品物をよく見せ、説得力のある説明文でライバルに差をつけるなどのノウハウと、プラスアルファのテクニックを整理したものだ。ぜひ参考にしてほしい。結婚して10年になるS子さんは、とある日曜日、天気がいいこともあり、自宅の物置を整理し始めた。この物置には家庭の不用品が次々に放り込まれ、足の踏み場もない状況だった。そんな「魔の巣窟」にS子さんが足を踏み入れたのには理由があった。S子さんは近所の主婦の間でも評判のパソコン通だ。インターネットを楽しんでいたS子さんがここ数ヵ月ハマっているのがネットオークションだった。最初は買い物が主だったが、慣れるに従って出品してみたいと思うようになった。メール友達などからさまざまなテクニックを授けてもらったS子さんは、家庭にある不用品を「お金に替える」べく、出品できるものを物色にきたのだ。メール友達の言葉がS子さんの頭によぎった。「何でも出せばいいってものではない。自分がゴミだと思っている品物は、誰の目から見てもゴミ。修理もできないくらいに壊れているモノや、汚れ過ぎてボロボロなどうしようもない品物を買おうという人はいない。売れ線を考えてみるのも手だ。現在ブームになっている趣味や娯楽、現象に関連する品物やお宝モノ、ブランド品は狙い目」S子さんはこの言葉を復唱しながら物置の品物を物色した。1時間後、「これならいける」と思える品物を見つけ出した。1本の古い釣り竿だった。その釣り竿は夫の物だった。S子さんは夫の元に走り、釣り竿のことを聞くと、オークションで売ることを承知させた。釣り竿は釣り好きな伯父さんから15年ほど前にもらったものだった。甥っ子である夫が釣りに興味をもつきっかけになれば、と思ってプレゼントしたものらしい。が、夫は釣りに興味をもつことはなく、結局、その釣り竿は未使用のまま放置されることとなった。釣りは静かなブームが続いていたし、マニアも多いと聞く。高値で売れそうだった。