音読や発表をさせるなら、ただやみくもに声に出させさえすればよいというものではありません。発達段階に合った、興味の持てる内容でなければならないでしょうし、使用されている語彙、フレーズなどにも配慮が必要です。そして何よりも、子ども自身が言いたいと思える内容を、意味がしっかりと伝わるように感情を込めて言わせることが大切なのです。逆に言えば、音読は、内容を伝えたいという意思がはっきりしない場合には、おすすめできる学習法というわけではありません。英語をマスターしたいという強い動機があれば、あまり興味のない内容でもがまんしながら語彙やフレーズを増やす練習として実施できるでしょう。しかし、動機づけがないまま、ただやらされるだけでは意味がありません。例えば大学の先生からその先生の趣味の世界のテキストを与えられ、その中に必要と思える表現もなければ語彙か見当たらないのに「音読して全部覚えてこい」などと言われては、英語への興味は薄れるばかりです。子どもや留学生も同じです。「寿限無」が最後まで言えるようになったとしても、早口言葉が言えるようになったとしても、それは「よく覚えたね」ということにすぎません。どこで切れていて、どんな意味なのかもわからないまま、将来宴会芸としてしか使えないようなことを覚えたところで何にもなりません(「人気者になる」のが目的なら、それなりのメリットはあるかもしれませんが)。