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経済成長期だった韓国

バスは釜山とソウルを結ぶ国道一号線を走っていた。これがアジアハイウェーの一号線でもある。車窓には、ちょうど刈り入れどきを迎えた水田が広がっていた。黄金色の帯の向こうにつづくこんもりとした山々では紅葉がはじまっていた。まるで日本の田園地帯の秋のような風景のなかを、バスは北へ、北へと進んでいく。昔に比べれば、運転もずいぶん穏やかになった。韓国はさして広い国土ではなく、隅から隅ヘバスに乗っても六、七時間で着いてしまうのだが、かつての韓国人たちは、血が騒いでしまうかのようにアクセルを踏んでいた。

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道端にはときどき、追い越しきれずに路肩からはずれてしまった車やバスが放置されていた。あの頃、韓国の人々は経済成長に浮足立っていたのかもしれない。次々にビルが建ち、高速道路が整備されていったのだが、気がつくと先進国並みに出生率が「二」を割ってしまう国になっていた。経済成長は一夜の夢のようにすぎ去り、韓国の人たちもようやく生活のゆとりとか快適さを求め、安全というものに価値を見いだしてきていたようだった。